2016年2月26日金曜日

「365日の紙飛行機」混声三部合唱譜 演奏ポイント

今回は、合唱・ピアノ編曲を担当した
少しでも演奏のヒントにしていただければ嬉しいです。






「365日の紙飛行機」混声三部合唱譜 演奏ポイント


[A]
1番の出だしは、全てのパートがメロディーをユニゾンで歌います。希望を持ちつつ、穏やかに歌いましょう。[A]の終わりの2小節間にて、女声2(Alto)パートがメロディーから離れ、ハーモニーが生まれます
ちなみに、最後の小節、ピアノ伴奏の右手パートが第3音のF♯音とその2度上のG音を行き来するため、合唱は、そのフレーズとのぶつかりを避けるため、第3音のない不完全和音にしています。

[A’]
女声2がメロディーを担当するのに対し、女声1(Soprano)パートは音価の長い音符を歌い、背景を彩ります。女声1は、ピアノ伴奏の左手ベース音との3度のつながりを意識しながら、柔らかく丁寧に歌いましょう。「Lu」「lu」のように「L」の大文字と小文字を使い分けることで、フレージングを表しました。大文字「Lu」の前で息継ぎをして、フレーズを作り直してください。

[B]
男声パートから始まり、女声1、女声2へと、メロディーを歌い継いでいきます。徐々に生まれるハーモニーに広がりを持たせながら、サビへと繋げていきましょう。

[C]
サビの前半部分です。女声1と男声パートがオクターブでメロディーを、女声2がハーモニーを作ります。空を飛んでいるイメージで、おおらかに歌いましょう。

C
サビの後半、メロディーが女声1のみとなります。他のパートは、メロディーに寄り添うように歌い、且つ、しっかりと土台になるように心がけましょう。サビの最後は、全パートの心が一つになるかの如く、メロディーが一本になります。

[2A’]
2番の出だしは、詞の内容を踏まえ、アレンジに変化をつけています。メロディーを担当する男声パート以外は、星空のような静寂を想像しながら、やさしく、澄んだ音で背景を作りましょう。詞がポジティブになるにつれて力強くなり、最後は全パートユニゾンで前向きな心情を歌います

2B]
女声2がモノローグのように歌い始めます。素朴さの中の秘めたる思いを、抑揚で表現してみましょう。途中から男声パートはオクターブユニゾンで、女声1はカノン風に重なりつつ、サビへと盛り上げていきます

2C
2番のサビの前半は、女声2がメロディーを担当し、男声パートがメロディーとほぼ同じリズムでハーモニーを作ります。これに対し、女声1は、リズムの異なるカウンターメロディーを歌います。メインのメロディーの上を紙飛行機のように漂いましょう。女声2+男声パートのメイン部分と、女声1のサブ部分が、ポリフォニックに、サビの終わりまで展開していきます。

[2C
2番のサビの後半は、男声パートと女声2の役目が入れ替わり、男声パートがメロディーを担当します。女声1は変わらずカウンターメロディーを担当しますが、[2C]がやや静かな動きだったのに対し、ここでは、よりメロディーに絡む、細かい動きが増えています。「推進力」が生まれるような掛け合いを楽しみながら歌ってみてください。

カウンターメロディーやメロディー以外の部分は、それだけを歌っても楽しむことができ、魅力的で歌い甲斐があるよう、心がけて創作していますが、やはり主役はメロディーですので、メロディー以外を歌う際はメロディーをよく聴き、あまり主張しすぎないように心がけると良いでしょう。

[D]
ここは間奏部分なので、本来、歌は休みなのですが、直前の[2C’]の終わりの「楽しくやろう」という歌詞の流れを受けて、新たにコーラスを加えてみました。楽しく朗らかに歌ってもらえれば嬉しいです。

[E]
女声1は、ソロパートであるかのような、透明感のある響きを意識して歌い始めてください。他パートのコーラスが入り、徐々に盛り上げ、次のクライマックスへと進んでいきます。

[F]
一番の盛り上がりの部分で、女声1は多くの高音が華やかさを演出します。女声2はメロディーですが、埋もれやすいので、気を付けて歌ってください。
[F]の出だしですが、音がだんだんと広がっていく効果を出すために、2小節目をリハーモナイズ(新たなコード付け)しています。

[G]
エンディングは、メゾ・フォルテからフォルティッシモに達した後、メゾ・ピアノでしっとりと終わる流れにアレンジしました。音の高低もその構成にシンクロするように幅を持たせ、メロディーが各パートを頻繁に行き来するような作りにしています。雰囲気としては、ゴスペル・コーラスをイメージしていただくと良いかと思います。


曲全体を通して、ドラマチックな展開にアレンジしていますので、ぜひ、一つ一つの場面を楽しんで演奏してみてください。

0 件のコメント:

コメントを投稿