2014年11月17日月曜日

「麦の唄」ボーカル&ピアノ譜 演奏ポイント

ピアノ編曲・合唱編曲を担当した

NHK出版オリジナル楽譜シリーズ
『NHK連続テレビ小説「マッサン」麦の唄』


今回は、「ボーカル&ピアノ譜」について
演奏するときに参考になるようなヒントを
お届けしたいと思います。

歌はもちろん
ソロ楽器とピアノとのアンサンブルも可能なので
(もちろん楽器によりますが)
多くの方に楽しんでいただけたら嬉しいです。



「ボーカル&ピアノ譜」演奏ポイント


[Intro][A]
やや強めに弾くことで
バグパイプの特徴ある響きを表現してみてください。

[A’]
歩き出す感じを、右手の和音の刻みで表しています。
原曲で使われているオルガンの持続音のように
ペダルを使って和音の響きを充分保つようにし
それでいて、しっかりした足どりで進んでゆくイメージで弾きましょう。

[B]
右手の和音を分散させることで、広がりを表現しています。
3連符のはじめの音を強調し
それらの音がつながって一つのメロディーになるようにして
歌うように弾きましょう。
3連符の残りの音は、余韻のようにやわらかく。

この部分は、クラシックの歌曲の伴奏からアイディアを得ました。
「歌に翼があるのなら」という歌詞から
メンデルスゾーンの歌曲『歌の翼に』を連想したこともあり
壮大で温かいメロディアスな楽曲に
クラシカルな伴奏を付けることで
より魅力を引き立たせています。

[C]
サビの部分では、[B]とは逆に拍を一つ一つ強調させます。
歌詞の持つ力強い思いをピアノにも込めて
堂々と弾いてください。

[D]
それぞれの3連符のはじめの音を強調し
それらが一つのメロディーになるようにして
だんだんと弱くなっていくように弾きましょう。

[B]の3小節目もそうでしたが
特に強調したい音に上向きの棒を付けています。
この棒は、4分音符分のばすことを表していますが
無理に鍵盤を押したままにしなくても
ペダルで音を延ばすようにすれば良いでしょう。

[E][F]
左手はパーカッションのように
歯切れよく正確なリズムで弾きましょう。

[H]
4分音符のビートをしっかり保ちながら
和音をたっぷりと響かせ
力をたくわえながら
[I]の劇的な解放感につなげましよう。

[I]
際立たせたいのは、もちろん右手のオクターブのメロディーですが
「外したらどうしよう・・・」という思いもありますよね。
そんな時は、オクターブの上の音だけを弾いても良いでしょう。
左手は、2小節ごとにある、1拍目の低音のオクターブをよく響かせます。

[K]
一度曲が終わってから、転調して
音が駆け上がるように[K]の壮大なエンディングにつながります。
[I]と同じように、右手のメロディーを強調して
左手のハーモニーで支えます。

最後の段、コードネーム「C」の部分ですが
今回の3種のアレンジそれぞれに、原曲の和音の構成は変えずに
別々のパターンをつけました。
ボーカル&ピアノ譜では
音を延ばしている間に倍音がひろがっていく様子を音にしています。
心が洗われるような幸福感を表現してみてください。



「ピアノ・ソロ譜」
「女声三部合唱譜」
については、またの日に!


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